とある営業マンの裏話 -3ページ目

電卓

ローン計算用の電卓って皆さんご存知でしょうか?

月々の返済がすぐに計算できる優れものです。

僕はこの電卓を絶対に使わないと決めていました。

これは僕なりのこだわりです。

僕が使ってたのは誰が見ても何の機能もついてないと一目瞭然でわかる普通の電卓です。

カシオの12桁の電卓で1200円程で購入できます。

では何故その電卓を使わなかったのか?

答えは【演出】です。

当時若かったですし、僕は見た目も非常に幼くお客様に舐められやすかったのです。

やはり何かでお客様に「こいつできる…」と思わせないと交渉をこちら主導で行うことなどできません。

なのでローン計算は普通の電卓で行い、場合によっては電卓を使わず暗算で計算し、紙に書いて説明をしていました。

ローンの計算なんて100万円単位の借入れ早見表があれば誰でも計算できますからね。

ほぼすべての営業マンがローン計算をPCの専用ソフトで行い印刷してお客様にお渡しします。

お客様もそれが当たり前になっているから、いきなり目の前で電卓弾かれて、紙に書いて説明されたら、こいつなんか違うと思いますよね。

しかもローン計算は営業マンがバックルームに戻って計算するため結構待たされるのです。(まあ裏で上司とけんけんがくがくやってるのですが…)

僕はローン計算はよっぽど複雑でなければ直ぐにその場でだしてました。

お客様のストレスも少ないですし、金額が合わないお客様を長引かせるのはリスクです。。

計算して印刷するのは最後でいいんです。

上司への報告はこまめにいれる必要があるのは以前も書きましたが、このタイミングではないと思っています。

まあそんなこんなで【演出】をしていたわけです。

交渉の途中でお客様に

「○○さん、ところでおいくつなんですか?」

「○○歳です」※ちなみに実年齢よりも2歳上で

「しっかりされてますねぇ」

なーんて会話があったらうまくいった証拠です。

営業マンとプレゼンマン

営業が上手なのとプレゼンが上手なのは意味が違う。


よくある話だが、説明がすごく上手なのに営業成績はいまいち上がらない人っていますよね。


逆に説明はおぼつかないのに、営業成績が抜群にいいって人もいます。


なんでかって簡単な話しです。


プレゼンが上手でも物は売れないって単純な話しです。


よく陥りがちなのが、お客様に対し完璧な説明をして自分自身が満足して終わってしまうケースです。


結局後でお客様の情報が全然聞き取れていなく戦略が立てれられないことに気付きます。


例えばマンション営業で一例を挙げると、モデルルームを案内する際に、スペックの説明を熱心にする人がいます。


このシンクはどこ製で、ユニットバスは1618で、ディスポーザーはこれこれこうですごく便利です。なんて。


まぁ確かにそういう魅力を伝えることは大切ですが、重要なのはよさを伝えるのではなく、買ってもらうこと。


しかもお客様は常に営業マンに警戒していると思ったほうがいい。


モデルルームで話す時間はすごく貴重な時間なのです。


説明だけ一生懸命して、見終わったらお客様は、じゃあありがとうございました。ってな感じで帰ってしまったら最悪ですよね。


僕はモデルルームでの会話は常にどうやったら席についてくれるかを考えていました。


例えば、リビングを説明するときでも、今のご自宅ってリビングどれくらいの広さですか?


と聞き、そこからその人がいま住んでいる部屋の間取りや家賃の話しに発展させていきます。


お客様が来場されたときに、アンケートに記入いただくのですが、年収や住居形態、家賃などの個人情報はなかなか書いてくれないのです。


そういったモデルルームのやり取りで、情報を聞き出し、買う客か買わない客かを判断することも重要なのです。


上記の場合、そこで「今分譲マンションなのよね~」って話しならいつ頃買ったかを聞き、


「そのとき金利って大変じゃなかったですか?」


なんて聞くと、


「いや~今支払い大変なのよね~」


だったら時間がもったいないのでさらっと説明して速やかにお帰りいただきます。


「ローン組まなかったから。」


だったら超営業攻勢をかけるわけです。


またさっきの話の続きですが、


ある程度家賃や住居形態がわかったのであれば、


「この部屋を購入した場合のローンの支払い額って今お客様が住んでいるところの家賃よりも安いんですよ。」


「それでリビングもこれだけ広くなりますし、キッチンだってディスポーザーがついてしまうんですよね。」


なーんて話しに持って言ったほうがお客様も理解しやすいし、情報も聞きだせます。


それで、


「例えばローンの借り入れって年収によって変わってくるんですけど、今大体のご年収ってどれくらいですか?例えばこの部屋は○○○万円なので、○○○万円くらい年収があれば比較的借り入れはスムーズにすむと思います。」


こういう流れで年収なども明らかにしていきます。


で、最後に「じゃあ軽くシュミレーションしてみましょうか?25年と30年でも変わってきますし、どれくらい借り入れができるかも気になりますよね。」


こんな感じで接客スペースに連れてくれば、割と話しははやいのです。


いかにプレゼンがうまくても、買ってもらわなくては意味がない。

営業は説明をするのが仕事ではなく、物をうることが仕事です。


お客様の情報をヒアリングし、ソリューションを提供していく。


これが一番重要だと僕は思っています。




広告活動かモデルルームか?

マンションの広告活動として挙げられるのは以下の通り。

・折込チラシ
・ポスティング
・新聞広告
・住宅情報誌
・インターネット
・テレビCM
・看板
・交通広告
・DM
・営業マン


最も量を投下するのは恐らく折込ではないでしょうか。

僕の家にも毎週金曜日になるとかなりの物件の折込チラシを確認することができます。

まあチラシは確かに来場率は最も高いですし費用対効果も高いですからね~。

そりゃあ本部長もとりあえずチラシまけ~っていいますよ。

ただ僕が思うに重要なのはモデルルームの演出ではないかと思います。

特に接客スペースなどのお客様が一番いる時間が長いスペース。

人はやはり雰囲気に弱いですからね。

ライティングコーディネーターなんて職業もあるくらいだし。

正直モデルルームなんてトータルで一時間もいないですよ。

接客スペースは下手すると10時間を超える時もあるくらいです。

BGMも重要だし、ライティングも接客机もこだわるべきです。飲み物を飲むコップや資料に使う紙の素材とか。

広告予算をちょっと減らせば簡単なことなんですけどねぇ。

時々すごいひどい時があります。

机ががたついてたり、飲み物を紙コップでだしたり、パンフレットがカラーコピーだったり。

大変高額な商品を買う訳ですからおもてなしは最重要視すべきだと僕は考えます。

少なくともレクサスくらいにはしてほしいもんです。

歩留まり

新築マンションの歩留まりは平均10%と言われています。

つまり10件の来場者に対して1件決まるってな感じです。


低いかと思うかもしれませんが、さすがにモデルルームに来る人全員がその物件を欲しいというわけではありません。

冷やかしも多いですし、買えない人もいます。

そんな中トップ営業マンと言われる人たちは歩留まり30%くらいたたきだします。

10件やればある程度の営業マンであれば1件は決まります。ただし駆け出しの営業マンが接客するとそういう買う客もいとも簡単に逃してしまいます。

だからある程度上司に認められないと来場者の接客なんてやらせてもらえないのです。

認めてもらうためにどうするか?

飛び込み営業や電話営業で連れてくるしかないのです。

僕がアピールの場として活用してたのは電話営業ですね。

上司の前で営業トークを聞かせることができるわけですからこんなアピールの場はありません。

家に帰ったら自分でセールストークを録音して何回もやり直す。(今聞くとかなり恥ずかしいし怪しい)

それでアポイントが取れるようになると上司も一度使ってみようかなとなるわけです。

飛び込みはやってるところをみせられないですからね。

まあそれで第一段階突破です。

いざ接客するようになると歩留まり10%キープするが大変で、毎日胃が痛かったです(泣)

12件くらい接客して決まっていないとまた飛び込み電話営業に逆戻りですからねー。。

いろんな難所をくぐりぬけて一流に近づいていくわけです。

物を貸す

商談をしているとクロージングできなくて時間切れになるケースは多々ある。

しかし内容もきっちり把握していて再度交渉すれば決まるってお客様は帰る前に翌週のアポを取り付けておく必要がある。

お客様がもうほぼ買うときめていれば再アポはいとも簡単に取得できるでしょう。

ただまだ悩んでいる人はなかなか再アポを取らせてくれません。

次来たら買ってしまうかもしれないと思う優柔不断な人だ。

そういうふうにして買うタイミングを逃している人はたくさんいて、10年近く探しるけどまだ決められないかわいそうな人もいるくらいです。

話しを戻して、再アポの取り方について。

ごり押しすればアポは取れるでしょう。

しかし家で考えてやっぱり今回はやめると電話でキャンセルしてくる人がいます。

なので僕はいつもなにか貸すようにしてました。

書籍だったり外に出せない資料だったり。

そして次の商談の時に持ってきてくださいと言います。

もし断りの電話がきたら、じゃあこないだ貸した資料持ってきてくださいと言います。

つまりいずれにせよモデルルームには来なければならなくなるってわけです。

返さない人もいますけどね。

そんな時は自宅までいきますがね。。

まあそうやってあらゆるリスクを予測しヘッジする方法を常に考えるのが営業の醍醐味ですね。

販売代理

よく売主と売っている会社が違う場合がありますよね。


例えば、売主は住友不動産なのに、販売代理はジョイントランドとか。


これにはいくつか理由があります。


1.営業マンをアサインするリソースがない。

2.売主が営業力に自信がない。

3.販売代理会社から土地を買った。


などなど。


買うほうからすると別にどうでもいいのですが、

実は裏でお金が動いているのは言うまでもないです。


販売代理会社は何で儲けているのか?ということです。


実は売主から販売代理会社への報酬というのは、

成果報酬になります。


大体が売った部屋の3%から5%が販売代理会社

に支払われます。


3000万円の物件を売ったら90万~150万くらいが

販売代理会社の報酬ってなわけです。


ちなみにマンションの粗利は大体10~20%とそんなに

高くありません。


販売代理会社に5%も払ってしまったら結構大変。


つまり販売代理会社が入っている物件は値引きが

しずらいのです。


売主への交渉も入りますし、利益率が低くなると

当然売主も値引きを渋りますので。


つまり販売代理会社が入ってない物件の方が

値引き交渉は比較的スムーズだと思います。

飛び込み営業の裏技

飛び込み営業にはいろんな裏技があります。

そのうちの一つをご紹介しましょう。


そもそもこのご時世、いきなりピンポーンって

ならして出てきてくれる人なんてよっぽどいい人です。


しかしながらやっぱりドアから出てきてもらって

資料を見ながら説明しないとモデルルームに

来てもらうことは至難の業です。


僕がよくやっていたのは、ドアののぞき穴の有効活用です。


インターホンを押すと、大体の人がのぞき穴で確認をします。

営業マンだとわかると居留守を使う人がほとんどです。


ただし、のぞき穴からは光がもれていますので、

居住者がそこを除いた瞬間、光が遮断されます。


そこを狙って光が遮断された瞬間、おじきをして


「こんにちは~。○○の○○と申します!」


とおじきをします。


居住者はむこうからは見えていないと思っているので

びっくりしておもわずドアを開けてしまうわけです。


あとは資料を見せつつ説明をすればいいだけ。


まぁこれでもあっさり断られますが、

居留守を使われるよりはアポを取る確度は

高くなるので、ましでしょう。


初日

最近新卒の教育担当をしていて、自分の新卒時を振り返ることがある。


そういえば初日って悲惨だったな~。


初日は本社に出社し、全体朝会で紹介された後、モデルルーム見学へ。

その後一冊の電話帳を手渡され、


先輩:「これ今日中に全部コピーしといて。」


自分:「え?これ全部ですか?」


先輩:「聞こえなかった?二度は言わないよ。」


自分:「はい、わかりました・・。」


1時間くらいウィーンウィーンと棟内(完成済み物件の一室)のコピー機で

コピーをしていたら先輩がやってきて、


先輩:「お前これ斜めになってんじゃねーかよ。やり直せ」


自分:「はい・・・。」


ていうか電話帳真っ直ぐコピーするの難しいんですけど(泣


永遠に数時間コピーしてましたとさ。。。


正直思いました。


コピー取りをずっとやらされるんだったら

俺やってけないかも。。。と。





ファッション

ちょっと今日は視点を変えた話し。


不動産営業マンのファッションについて。


高額なものを販売するわけなので、みすぼらしい格好はNG

まぁ既に不動産の営業マンをやっている方は上司の方に口すっぱく言われていると思いますが。。。


よれよれのスーツや汚い靴をはいている人から家なんて買いません。


まぁそれでも売る人はいますが、やっぱりマイナスポイントは出来るだけ減らした方がいいですからね。


今の僕の服装を見るととてもえらそうなことは言えなくなってますが・・・。


当時はものすごく気をつかってました。

だから不動産営業マンだった頃の僕を知っている人は、今の僕を見ると必ず汚くなったといいます(笑)


一番気を使っていたのは靴です。


スーツは週1でクリーニング。

シャツは1回着たらクリーニング。


これは当たり前。


靴は毎日磨いてたし、たかーい靴かってましたよ。


最終的に欲しかったのはジョンロブかエドワードグリーンって靴です。

ジョンロブはオーダーすると40万くらいしますからね。。。


そこまで高い靴じゃなくてもいいから、とりあえずいい靴が欲しいって人にお勧めなのは

クロケットジョーンズかチーニーですね。


4万から7万くらいで買えます。


飛び込み営業で靴はかなり磨り減りますので、

当然商談用の靴と飛び込みようの靴は分けましょう。


僕はスーツも使いわけてました。


一回10万くらいするスーツで飛び込みしてたら、

へんな釘に引っかかって破れたり、ボールペンのインクがにじみ出て

しみになったりでいやな思いをしたので。。。


まぁあまり参考になる話ではありませんが、取り急ぎ書いてみました。


不安にさせる

交渉をする上で大事な話しの一つ。


お客様を不安にさせる話し。


簡単に言うと、今買わないと後で大変だよってのを話してあげるだけ。


例えば、今マンションを購入する中心の世代は20代後半~30代後半。


この世代ってのはいわゆる団塊ジュニア世代ってやつで、年金支給間に合わない組といわれてるのは周知だと思います。


時が過ぎ、定年後は収入が無くなる可能性が高いわけです。


そのときに家を持っていないと、毎月家賃が発生してしまうわけです。


しかも年金支給がない(収入がない)老人に家を貸してくれる心の広い大家なんてそうそうおりません。


幸せな老後を送るためには、まずは快適な我が家ってなわけです。


そして以外なことに年金のこういった話しを知らない人、結構います。


特にのりでモデルルームを見に来た若い主婦はほとんど知らないといっても過言ではない。


そういった人たちに、年金が支給されなくなる根拠をこと細かく話してあげる。


そのときに効果的なのが、日経新聞の切り抜きなわけです。


結構この話題って日経で取り上げられているので、そのたびにスクラップしておき、お客様にそれを見せながら説明すると説得力が増します。


家は若いうちに買いましょう。


てな感じで締めるわけです。


これ以外にも不安にさせる話しはたくさんあるので、後日書いていきます。


不安にさせて落とすところまで落として、家を買う事が解決策になるのであれば、検討も進むわけです。