バックヤードと上司 | とある営業マンの裏話

バックヤードと上司

モデルルームでお客さんと商談している最中に、営業マンが何度もバックヤードに戻っていく姿を目撃したことはないだろうか。
あの行為は営業マンにとって非常に大切な行為なのである。

なにしに戻っているかというと、上司に状況を報告しに戻っているのである。
今お客さんがマンションを買うに当たって、問題となっている部分や、自分が話した内容などを上司にこと細かく報告する。それを聞いた上司が、次はこういう話をした方がいいとか、お客の問題点を報告から察知し、こういう資料を持っていき、説明しなさいなどといった的確な指示を出す。

僕の前いた会社の上司達は、とある大手マンションデベロッパーから引き抜かれてきた精鋭達ばかりなので、この指示が本当に的確で驚く。

自分が今まで、全然落とせなかったお客さんが、上司に報告し、言われたとおりの展開に持っていくと、お客さんの問題点があっさりと解決されることがよくあった。

そのため、営業マンにとって、バックヤードと上司は大切なポイントとなる。

当時私は思っていた。売れる営業マンに大切なのは、状況を的確に報告できる能力と、お客さんの不安点や問題点を交渉中に見抜く力だと。

その二つさえしっかりやっていれば、上司から的確な指示がくるので、そのとおりに実行すれば結構いいせんまでいくのだ。

操り人形みたいだけど、経験の無い若い営業マンは最初はこうやって経験をつまなければならない。絶対に経験のある人には勝てない。勝てるとしたら、その経験を短期間で奪うことである。一定期間これで積み重ね、自分のオリジナルをそれから生み出せばいいだけのことである。