広告代理店の営業マン | とある営業マンの裏話

広告代理店の営業マン

広告代理店とは数社つきあったが、レベルの差が歴然としていておもしろかった。

大抵の広告代理店は、何の根拠も無く提案してくることが多かった。
とりあえずチラシをまくだけまきましょう。とか、何万枚まけば多分このパーセンテージでモデルルームに来場しますとか。

はっきり言ってそのパーセンテージには何の根拠もない。
過去の実績などは、物件のスペックによっても左右されるし、チラシを見た人のタイミングにもよる。

そういうデータがあてにならないため、高予算を生かしてとりあえずばらまくと言った手法に悲しくもなってしまう。

そういった提案しかしてこないためか、私にとって広告代理店の営業はすごくレベルの低いものなのだなと思い込んでいた。

しかし、3年目にしてすごい優秀な営業マンと出会うことができた。

その営業マンが提案してきた内容は、更地の建設予定地で気球を飛ばすというもの。お客様にその気球に乗ってもらって、実際のマンションの高さから眺望を見てもらいましょうということでした。そして、そのキャンペーンをチラシに盛り込めば、気球に乗りたいということでの来場者も増えるでしょうとのこと。

気球に乗りたいがために来場したお客様は、購入確度が低いため、来場者が増えても無駄だと思うでしょうが、これは決して無駄ではありません。

なぜかというと、誰もが売れてる物件を購入したいと潜在的に思っており、マンションを売る営業マンは、その物件がいかに人気があるかをいろんな確度からお話しをする。

但し、閑古鳥が鳴くような数のお客様しかモデルルームにいなくて、そういう話しをするよりも、たくさんの人がいる中でそういう話しをした方が説得力が増す。

そういった意味でも来場者が増えることはプラスなのだ。
まぁ買う客買わない客の選別をうまくつけないと大変なことになるが。

実際この気球の提案は実践に移され、その週はモデルルームに100組のお客様が来場し、10組近くのお客様が契約に至ったのである。

ちなみにその営業マンはほかにもいろいろな提案をしてきて、本当に客の利益になることを真剣に考えてくれる営業マンだった。

自分も営業マンとして、こういう実のある提案をいろいろ受けられた経験は本当に宝物になった。